帖佐人形(鹿児島県)

「扇持ち」H20cm

2013年11月11日、午前9時30分千歳空港を出発、午後1時50分に鹿児島空港に到着しました。事前に帖佐人形窯元の折田さんに作品を見せていただくようお願いしていたので、真っすぐに姶良市の窯元に向かいました。
この地で作られた帖佐人形の由来は、藩主の島津義弘が朝鮮出兵の際、連れ帰った現地の陶工が故国を偲んで作ったと言われています。その後当地の武士たちの内職として引き継がれました。太平洋戦争前後に一時途絶えましたが、現窯元折田さんの祖父が復活させています。
窯元のある場所は、静かな集落の一角にあり、昔から帖佐人形作りが伝承されてきた地域です。昔の武家屋敷跡地で素朴な帖佐人形を見て、武家の暮らしぶりに思いを馳せました。
この作品の「扇持ち」は、素朴な中にも生き生きとした屈託のない明るい表情が気に入りました。先代から引き継がれた伝統の技が生かされているのだと思います。これからも帖佐人形が長く後世に引き継がれることを願っています。